2009/07/12

革の呼吸

7/12/2009
ためしてガッテン「よみがえる! 革製品の新常識」より・・・動画
(注:NHKはクリームと書いているが↓、正確にはワックスのこと)
靴磨きの注意点
靴磨き職人に、靴を長持ちさせるのための最大のポイントをたずねると、「クリームをつけすぎない」とのこと。

靴のムレを実験したら、クリームをベタ塗りした靴と、名人が塗った靴では、ムレ具合に大きな差が出ました。

靴磨きのポイント
  • クリームはつけすぎない。ひたすら伸ばすことで全体になじませる。
  • 塗る前に、前回のクリームを落としておく。


名人の松本勇さん。


名人塗り。KIWIのワックス、片足あたり2、3米粒程度か。


ベタ塗り。同じくKIWIのワックス。


名人塗り・ベタ塗りを履いて対照実験。


5分間ジョギング直後の靴内の湿度は大差ないが…、



5分後…。





追記(2010/9/4)

呼吸の定義
Question
革は呼吸するといわれますが、それは具体的にどういうことでしょうか?

Answer
革を構成するコラーゲン繊維は親水性であり、繊維同士が立体的に交絡した構造(組織)を持っています。このため、微細な間隔が多く、この多孔性が靴のはき心地や衣料としての快適性など、革の特徴を発揮しています。革は湿度(相対湿度)の変化に応じ、容易に水分を吸収し、また放出します。このように、革が水分を吸収し、放出する作用を"革は呼吸する"とたとえ、革の最も大きな特色ともいえるのです。人工皮革の靴と比較して、革靴のむれが少ないのもこのためだといえば、より判りやすいでしょう。

社団法人日本タンナーズ協会
http://www.tcj.jibasan.or.jp/dictionary/faq/faq14.html
 呼吸能力とは、靴の材料が、足の湿気を吸い取り、すぐに外に放出してしまう力のことだ。専門的には、「蒸気の透過性」という。この力が大きいほど、より呼吸能力があることになる。
 革は最も呼吸能力のある材料だが、それはそれが多孔性であるからでなく、革独特の繊維の織り合わせ構造と空気の通る隙間によるものである。

靴の中の足 城南病院 石塚忠雄
http://www.hikaku.metro.tokyo.jp/images/pdf/112pdf/02.pdf
 皮革の水分は湿度60%で17.5%、湿度80%で22.5%であるから吸湿性は良好である(化学工学便覧、p.706、丸善)。したがって、靴の内部など多量の湿度を吸収する必要のある部分には天然皮革が適している。

皮革の特性 (社)日本皮革産業連合会 今井哲夫
http://www.hikaku.metro.tokyo.jp/images/pdf/151pdf/02.pdf

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