2008/06/04

クリームの種類

6/04/2008

 W/O型 : 油中水滴 Water in Oil 油に溶けやすい
 O/W型 : 水中油滴 Oil in Water 水に溶けやすい

ということで、実験結果

 旧メルトニアン : 水に溶ける、油には溶けない
 コロニル パステル : 水に溶ける、油には溶けない
 コロニル ウォーターストップ : 水に溶ける、油には溶けない
 コルドヌリ(サフィール大瓶) : 水に溶けない、油に溶ける

水分が蒸発して硬くなったO/W型は、精製水を混ぜれば復活するのかも
O/W型なのに気密性の悪い容器を使っているのは、商品の回転率を上げる陰謀だったりしてw




出願人:株式会社コロンブス
特許公開平07-331183 W/O型靴クリームの製造法
【従来の技術】
 従来、W/O型靴クリームとして実験が試みられているものは、水の量が40~50%含有されており、且つ、ワックス量も最大で20%程度であり、依って、安定化させることが困難である。このため、界面活性剤を用いて前記水を含有せしめることが考えられるが、前記水を含有せしめて安定化させるためにはどうしても該界面活性剤を過剰に使用することになり、依って、耐水性や艶出し効果が悪く、高速攪拌や冷却装置等の大型の設備を必要とする等の理由で現在此種W/O型靴クリームは市場で販売されていない。*1

 又、一般的な乳化性靴クリームはソフトペーストで形成されているため使い易く、且つ、カラーバリエーションも豊富であるが、水溶性であるため艶出し効果と耐水性の面に於ては油性靴クリームより劣る。一方、油性靴クリームは前記乳化性靴クリームに比し硬く、従って使い勝手が悪いと云う欠点を有すると共に、温度変化による溶剤の分離、蒸発、或は、容器の種類の制約がある等、種々の欠陥を有し、従って、市場に於ては乳化性靴クリームが主流となっている。

【発明が解決しようとする課題】
 本発明は上記乳化性靴クリーム及び油性靴クリームの短所を改良し、そして、夫々の長所を活用し、高い艶出し効果とその持続力の強化を計ることを目的とする。

【実施例】
 以下、本発明の一実施例を詳述する。先ず、本発明は、油性靴クリームを用い、そして、磨き上げるときに少量の水を添加し乍ら磨きと艶出し効果が向上する点に着目して為されたものであるが、
 (略)
 又、本発明に於ては水を5~15%分散させるのであるが、之は、艶出し効果の高い油性靴クリームと同等若しくはそれ以上の性能にすると共に、該少量の水の気化熱によるワックス塗膜が冷却され、該靴クリームの使用時に於て密度の高い塗膜となり、艶出し効果の持続力を強化するためである。更に、水が15%以上になれば、艶出し効果が低下すると同時に、艶出しまでに相当時間を要し、靴クリームとして磨きにくくなることを回避するためである。
 (略)
尚、本発明に用いる素材の配合割合を示すと下記の通りである。
e986829f.gif
e9161135.gif

 (略)


特許公開平08-120226 O/W型乳化性靴クリーム製造法
【従来の技術】
 従来のO/W型乳化性靴クリーム製造法はアニオン性界面活性剤又はノニオン性界面活性剤を用いてワックスを乳化させることによって製造している。
 そこで、該靴クリームを靴に塗布して靴を磨くとき、前記界面活性剤が靴の表面に残留する。而して、該界面活性剤は前記ワックスの乳化作用を有し、靴に光沢、柔軟性を与えることはできるが、前記磨かれた靴に水が当ったとき、該水は該界面活性剤にて吸収されて撥水性がない。従って、防水性を付与させるために別途フッ素樹脂を有機溶剤で溶解して生成した防水スプレーにて前記磨かれた靴の表面をスプレーしている。而して、該防水スプレーは撥水性を付与させることはできるが、艶出し及び柔軟効果を付与させることはできない。
 更に又、前記界面活性剤を用いてワックスを乳化させて製造した前記O/W型乳化性靴クリームに樹脂溶液のバインダーを添加して防水性を付与することも想定されるが耐屈折性が劣っている。又、油性靴クリームで防水性を与えることはできるが、この場合は、革の種類によっては色落ちし、或いはシミとなり易く、更に、革を硬化させて柔軟性を損う等の欠陥がある。

【発明が解決しようとする課題】
 そこで、上記欠陥に鑑み、防水効果の外、艶出し及び柔軟効果を同時に兼ね備えることができるO/W型乳化性靴クリーム製造するために解決せらるべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は該課題を解決することを目的とする。

【実施例】
 (略)
更に、添加剤としてフッ素樹脂エマルジョン及び防腐、防カビ剤等を水で稀釈して添加する。該フッ素樹脂エマルジョンは防水効果を一層高める。その他の添加剤は夫々が有する性能を奏する。
 (略)
尚、本発明に用いる素材の配合割合を示すと下記の通りである。
bd13cb76.gif

 (略)


詳細はこちらで
 http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl

*1サフィールの大瓶は「此種W/O型靴クリーム」にあたらないのかな?

訂正(2009/11/13) サフィールの大瓶は油性クリームでした。




追記(2011/8/1)

 Saphir Noirは油の中に水が分散している↑とのことですが、AVEL(ルボウ)に確認したのかなあ?
 AVEL(ルボウ)に聞かずに、R&Dから聞いた話↓っぽいんだけど。
Q. M.モゥブレィ・シュークリーム、ビーワックス、WOLYファッションレザークリームの使用方法の違いは?

A. ・・・簡単に言えば、M.モゥブレィ、ウォーリーは水に油、ロウを少量加えているのに対して、ビーワックスクリームは油、ロウに水を少量加えているイメージになります。従って同じ乳化性であってもビーワックスクリームは油性(缶入りワックス)に近いイメージになりますので、ワックスのようにクリームを少量ずつ重ねることでワックスに近い光沢が出てきます。ワックスを使うように水を数滴使いながら重ねていくと光沢が良くでます。(重ねすぎると通気性が損なわれるというデメリットもありますので気をつけてください。)・・・

http://shoefootcare.net/e309.html



(1) 一般的な乳化性靴クリームが、簡単に言うと「水の分子の中に油分を散らす」構造であるのに対し、Saphir Noirは正反対の「油の分子の中に水分を散らす」組成なのが、独特な質感の秘密!(BOQより引用)

 ルボウの楽天ショップと同じく、Valmour(AVELと住所が同じ)も「水が全く入っていない(without any addition of water)」と書いています。


(2) この特性をより正確に記すため、リニューアルでは成分表示も「乳化性」から敢えて「油性」に替えています。(BOQより引用)

 水が全く入っていないから、「油性」なのでしょう。


(3) “缶入り” と “ビン入り” の違い。

 「下掲のビン入りには液体ワックスがより多く入っており、革に深く浸透して、より良くクリーニングします」とのこと。
Advice :
- Use this product in alternation with the Pommadier Saphir Médaille d'Or below, which contains more liquid waxes permitting in-depth penetration of the leather for better cleaning.



(4) 参考:粘度調節について
20.革用クリームとはどのようなものでどのように使用するのが適当なのか?
 一般的な革用クリームの成分は、ワックス、油分、水又は少量の有機溶剤と界面活性剤である。ワックスは革の表面に留まり、磨くことにより艶を与える。油分、水又は有機溶剤はワックスの粘度調節の役割を果たしている。油分は徐々に革の内部に浸透し柔軟性を保持する効果もある。界面活性剤は各成分がよく混ざり合うように加えられている。

皮革の取扱いの基本(2) (社)日本皮革産業連合会 今井哲夫
http://www.hikaku.metro.tokyo.jp/images/pdf/150pdf/04.pdf

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